内 科

高濃度ビタミンC点滴がん治療の補助療法として最近注目されている高濃度ビタミン C 点滴をご存知ですか?

この治療法が適する方とは

高濃度ビタミン C 点滴は、下記に該当する方に適した治療法です。
有効な抗がん剤や放射線治療がある場合は併用を推奨します。

  • 標準的がん治療が無効の場合
  • 標準的がん治療の効果をより確実にしたい
  • 標準的がん治療の副作用を少なくしたい
  • 良好な体調を維持しながら
    寛解期を延長させたい
  • 代替治療として希望する場合

※当院では悪性疾患の補助療法としての適応以外(美容目的や疲労回復目的など)では実施しておりません。

ビタミンCの抗腫瘍効果

高濃度ビタミンC点滴

2005 年に米国・公的機関/国立衛生研究所(NIH)の科学者が衝撃的発表をしました。

それは「高濃度アスコルビン酸(ビタミンC)点滴は、がん細胞に対してだけ選択的に毒性として働く」という内容です。
ビタミンCは自分が酸化されることで強力な抗酸化作用を発揮しますが、その際大量に過酸化水素が発生します。血中に投与された時、正常な細胞は過酸化水素を中和できますが、がん細胞はこれを中和できず死んでしまうのです。

つまり、高濃度のビタミンCはがん細胞にとって “抗がん剤” でもあるわけです。

使用するビタミンC点滴製剤について

国産の点滴用ビタミンC製剤(1筒2g)は防腐剤が添加されています。国産品で高濃度ビタミンC点滴療法をすると防腐剤が25-50倍も体内に入ってしまうので、当院では防腐剤が添加されておらず、また最も塩分(ナトリウム)量が少なく、浮腫や心不全をより起こしにくいバイオニッシェ・ファーマ(Bioniche Pharma)社製のビタミンC製剤を使用しています。

ビタミンCの副作用

非常にまれに、ビタミンCで強い副作用(溶血発作)を起こす体質の方がいらっしゃいますので、初回にG6PDスクリーニング検査を受けていただきます。

G6PDスクリーニング検査について

高濃度ビタミンC点滴療法ならびにオゾン療法はG6PD異常症の方には禁忌です。この点滴療法を実施する前に必ず赤血球膜G6PD活性を測定します。

G6PD異常症の頻度
G6PD異常症は伴性劣性遺伝を示す家族性溶血性疾患で、アフリカ人男性の約12%、フィリピン、タイ、台湾、中国南部など東南アジアの男性の数%、世界に数億人もいると推測されています。
日本では1975年の厚生省の調査班が188例のG6PD異常症を報告しています。
G6PD 異常症は高濃度ビタミン点滴療法で
重症溶血性貧血発作をおこす危険がある
米国では高濃度ビタミンC点滴療法を実施する前に必ずG6PD活性を測定します。これはG6PD活性が低下している患者の血管内に高濃度のビタミンCを投与すると、重症の急性溶血性貧血発作をおこす危険があるからです。
検査のタイミングと
高濃度ビタミンC点滴療法
高濃度ビタミンC点滴療法で有名な米国The Center for Improvement of Human Functioning Internationalの検査部長James Jackson先生は、同センターのG6PD欠損症の経験から「G6PD異常症ではビタミンC点滴15gで溶血発作をおこすことはほとんどない。しかし、それ以上の投与は必ずG6PD活性を測定すべきである。これまでの報告では50g以上の投与で急性溶血発作を起こしています。しかし25gでも高熱時や服用している抗生物質やサプリメントによっては溶血発作を起こす危険性があります」と述べています。
したがって、ビタミンC点滴療法は必ず事前にG6PD活性を確認することが必要です。

ビタミンC投与の実際

ビタミンC投与

基本的に2週間に1回ビタミンCを25g点滴します。
点滴の頻度は週に2回まで可能で、最初はビタミンC15gから点滴を始め、25g、50gと増量します。
血液中のビタミンC濃度を測定し、投与するビタミンCの理想的な投与量を決定します。
典型的な例では週に2回の点滴で6か月間継続、その後の経過がよければ週1回を6か月、さらに2週に1回を1年間、その後は月に1回行ないます。ビタミンCの量と点滴頻度は病状によって変えていきます。
この治療を受けることにより免疫システムの増強、がん性疼痛の軽減、食欲の改善や体調の改善などが期待できます。

料金 (自由診療になります)

コース 料金(税込)
初回ご相談料およびG6PD異常症スクリーニング検査 16,500
ビタミンC(アスコルビン酸)血中濃度測定 7,700
ビタミンC点滴 25gまで 11,000
50gまで 13,750
75gまで 16,500
100gまで 19,250